第2話



アナルセックス含みます。苦手な方はリターンで。

 

「んんっ……ん〜〜っ!!」 余りの息苦しさに呻き声を上げると、ようやく唇が外された。 痛い程に吸い上げられた柔らかな部分が真っ赤に腫れ、ようやく確保された呼吸を求めて喘ぐ様を、真澄は目を細めて見守った。 「これで、ハッキリしただろ?」 「……狡い……」 「え?」 「なんで――それなら、何で今まであんな――あたし、そのせいであなたに酷い事ばっかり、言ってきて……」 唇の端を拭うだけのつもりだったのに、思わず涙がぼろっと零れ落ちてしまった。 一端零れると歯止めが効かなくて、後から後から頬を伝い、顎の先まで落ちてゆく。 いつしか肩の下までずり落ちた上掛けが二人の半身を顕にしている事にさえ気づかないような、涙の中にいる。 真澄は苦笑しながら顎先に落ちた滴を指先で拭うと、そのまま額に触れる様なキスをした。 その瞬間、きゅん、と優しくマヤの胸が鳴る―― 深いキスの興奮とはまた違う、穏やかな不協和音に肩を竦める。 「君に辛くあたってきたのは間違いない。多分今後も邪魔ばっかりするだろうな――君の先生と『紅天女』が生きている限りは」 ちゅ、っと、ほんの僅か湿った音を立てながら。 額からこめかみ、涙の跡で汚れた頬、顎、首元へと――キスが降りてゆく。 「俺と君とはこの先も敵同士に変わりない――でも、俺が君を好きなのも変わらない……君だって、子供の癖に俺とこんなコトができる訳だし」 と、ふいに肩を軽く押されたかと思うと、横向きだった身体がシーツの上に仰向けにされ、真上から真澄の大きな体が覆いかぶさるようにしてマヤをのぞきこんできた。 「あぁ……っ」 すっ、と。硬い皮膚の表面が、マヤの薄い胸を撫で上げた。 びくっ、と腰が反り返り、その拍子に身体のいろんな部分が真澄に擦り付けられる。 細やかな起伏は男の指であっという間に覆いこまれ、掻き寄せられて。 それはやがて先端の柔らかな突起を摘み上げ、優しく、だが執拗に弄り始めた。 「あっ……や、ぁっ……やだ、そこっ……速水さんっ!」 じわじわと、硬くしこり始めるそこから身体の隅々に広がる、得体の知れない快感。 未体験の少女には怖い程の鋭敏な感覚が追い詰めてくる――逃げ場などどこにもない。 尖った乳首が弾かれて、ぐりぐりと押し潰される――かと思うと、きゅっと捻り上げられる。自分の身体の中にこんな感覚が埋もれているなんて――知らなかった、どこかで予感はしていたかもしれなかったけど……本当に知らなかったのに。 「ずっと――したかったのか?君も…… こんな風になると、知ってたら――余計な我慢なんかするんじゃなかったな」 「そ、んな……ああっ……やめ、やめて、ヘン、何か変だって……!」 真澄の両手の動きに呼応するように、勝手に腰が動き、身体が捩じれる――のが、本当に変な感覚で、マヤは必死で首を振る。有り得ない声がどんどん零れ出る――何とか抑えようと口に手を当てたら、真澄の手がいとも簡単にそれを外してしまった。ふわっと柔らかな髪の毛がこめかみをくすぐったかと思うと――震え上がるほど艶っぽい声が鼓膜の中に響いてきた。 「舐めるぞ、マヤ――」 「だっ……め、ぁ……っ!」 慌ててその頭を押さえようとしたけれど、一瞬遅かった。 その舌が指と共に絡み合いながら、恥ずかしい程桃色に尖りきった先に絡みつき、唾液を擦り付けながら吸い上げられる。吐息混じりだった掠れ声が、信じられない程淫らな高い音となって溢れ零れ、自分の鼓膜を震わせる。 もっとその快楽を引き出せ――と、いわんばかりに、指と舌の戯れは激しさを増す。 擦り付けた部分の硬さや、重さや、鋭さが、どうしようもなくマヤと真澄の奥を押し開き、新しい感覚を引き出しては……悦楽に意識を拡散させてゆく。 「っひ、ぁ、あ……恥ずかしい――すごく……イヤだよ、速水さん――」 「いや?」 両手でシーツを握りしめたまま、ひくひくと身体をのたうたせながら、マヤは啜り泣く。 時折その頬を、耳朶の裏を撫でながら――幼い胸が淫靡な艶を増してゆく様を存分に愉しみながら、真澄は問い返す。 「全然、気持ちよくないのか?」 「――い、いい、けど……けど、だってこれって――こんなコト、本当に、するんですか? 何か、あちこちズキズキして……あっ、あ、ああっ」 片方の掌が薄らと肋骨の浮き出た脇腹から足首へと一気に滑り落ち、そのまま内腿を撫で上げる。ゾクゾクと背筋を這い上がってくる感覚にマヤは短い鳴き声を上げながら狼狽える。だって――そんな、所を触られたら……バレてしまう、もう、じくじくして堪らなくって、おかしな状態になっているに違いない其処が―― 「なっ、ダメ、そこはホントに――やっ、めて……あぁっ…んっ!」 じゅるっ、と音もなく、嫋やかに沈み込む。 あっという間に長い指を濡らしてしまう、涙よりも熱く甘い液。 すべすべとした白い肌に刻み込まれた、ほんの僅かな隙間からきらきらと零れ落ちる。 いつの間にか二人はすっかりベッドの上に上下折り重なっていて、身を隠すものなどどこにもない。 「……毛も生えそろってないとはよく言ったもんだな」 ほんの少し潜り込ませた指を引き抜きながら、真澄がさも面白そうに呟く。 信じられない程の快感に震えていたのが、その一言で爆発しそうな羞恥に代わる。 「っ!!馬鹿ぁっ――ヘンタイ!もうやだっ……おねがい、もういいから!!」 「こんなに感じておきながらやめていいのか? 本気でもない癖に勝手な事言うな。君は馬鹿正直なのが身上だろうが」 「んなっ――えっ、ちょっと――あ!」 ふいに片方の足首を掴まれたかと思うと。 瞬時の抵抗を引き剥がし、両脚が有り得ない角度で開かれてしまう。 あまりの恥ずかしさに、マヤはシーツの間に顔を押し当てながら髪の中に隠れた。 「マヤ――チビちゃんは暫く返上だ……凄く、いやらしい感じだぞ、ここ――」 からかうようだった声が、感歎混じりの溜息に代わる。 完全に掻き開かれて覗かれている羞恥が、どうしようもなくマヤの興奮を煽る。 いつしかつんと鼻孔をくすぐるこの薫りも――何もかも、濃くて、厭らしくて、まるで冷たい泥のように気持ち悪くて……気持ちいい――そして遂に、舌で直接弄られる。 「……!!」 息が詰まる――もう、変な意識や常識は手放してしまおう……でないと、耐えられない。 目の前で、真澄が自分の太腿の間に顔を埋め、桃色に蠢く隙間を舐めしゃぶっている。 涙混じりの淡い視界に、鋭い肩のラインと高く掲げられた自分の太腿が大きく浮かび上がる。くちゅくちゅと、絶対にわざと音を立てている――その音に導かれるようにして、マヤの奥から蜜がじゅくじゅく溢れてくる。差し込まれた指が掬い上げ、引き攣った襞をそっと引き剥がす感覚……と、唐突に一点から痛い程の快感が突き抜けてくる。 「――マヤ……ほら、こんな時はなんて言う?」 「ぁ、ぁ、あっ、ダメ……あ、はっ、はやみ、さ――」 「ダメじゃない、なんて言う?」 ガクガクと腰が揺れる。 ダメじゃない、そう、確かにそう、低い、興奮を抑えた様な声が下腹に響き、鼓膜を揺らし、か細い身体中に絡みつくような執拗なこの感覚――貪るように吸い上げ、柔らかく突いてくる細やかな快感の粒――決して嫌じゃない。欲しい、きっと。 でもこれ以上強く、激しくなったら――きっと、頭がおかしくなる。 ただでさえ、お腹の奥が、子宮と呼ばれる部分がキュンキュンと収縮して、物欲しそうに隙間から愛液を垂れ流して――そんな惨めな姿を、よりによってこの男の目の前に晒してしまっているなんて。 それでいて――泣きたくなる程の幸福感に包まれている。 「マヤ――さっきみたいに、言ってくれ、頼むから」 ふと、そこから顔を上げたかと思うと。 真澄はシーツと髪の間に埋もれて泣いていたマヤの顔を両手で包み込んだ。 「……目を見て、言って」 「――ったっら、ゆったら……もう、ゆるしてくれる?」 「ああ、一気にイッて、苦しいのはおしまいにする。約束するから」 端正な顔を切なそうに歪めながら囁く。 夜明けまで、あとどれだけこの瞬間が続くのだろう――と、哀しい程期待していた数分前の自分がマヤの頭にフラッシュバックする――そして何分後かには、二人まるっきり違う姿で、違う場所で…… ああ、そんな事、今はもうどうでもいい。 何も考えたくない。今はただ、この人が懇願するに任せて――言ってしまえばいい、それだけ。 顔をすっぽりと包み込む、硬い手首を握りしめて。 マヤは真澄の琥珀の瞳の中で甘く囁いた。 「し、て……もっと、気持ちいいコト、して――下さい……」 「いい子だ――ご褒美に、今夜は痛いのはナシにしてあげる」 真澄は心から満足そうに微笑むと――ふっと、マヤの肘をとるなり、その身体をひっくり返した。 「え……?」 顎の下に枕を押し込まれたかと思うと。 仰向けに開かれていた太腿が、今度は膝を立てるような形で高く引き寄せられた。 ぼんやりと痺れるようだった意識が、ふいに羞恥心を取り戻して焦り出す。 「えっ、あ……速水さん――っ?」 うなじから襟足を舌先で撫で上げながら、左手が突き上げるような形になった双丘の隙間を辿って――再び指が侵入してきた。熱い息が首の後ろに吹きかけられ、ゾワゾワと鳥肌が背中を這ってゆく。 「後で少しは仮眠するとして――俺たちに残された時間はあと30分もない、のに、君の大事な処女膜を衝動のままに突き破るのは些か勿体なさ過ぎる……とはいえ、俺は俺で切羽詰まってるし。後でこんなコトされたって人に言うなよ」 さっきまでのあの訴えるような、少年のように熱っぽい声は何だったんだろう。 もしかしてやっぱり、遊ばれてる――?と、一瞬混乱する程、その声は淡々とマヤの耳に届いた。何か文句を言ってやろうか、と思った瞬間、背筋に沿って指を滑らされる。ビクッと無意識に身体が震えた拍子に、潜り込んでいた指先が細かな抜き差しを始め、マヤは再び淫蕩なぬかるみに浸かるような感覚に喘ぎ声を上げ始める。 右手が背中から肩甲骨の間を抜けて、腋の下から前に滑り込み、重力のお蔭でやや膨らみを強調している右の胸を包み込んだ。 「あっ、あっ、あ……あぁ……っ」 小さな乳首を押し潰されて、円く掻き回される、じくじくと疼く刺激に耐え切れず。 押し当てられた枕に顔を埋めながら、肘で上半身を支えると、後は勝手に身体が揺れた。 自分から腰を振り、動かしている――という意識が、ますますその動きを激しくさせる。 真澄の方も最早溜息を押し殺す余裕もその気もない。 突き破りたい衝動は常に下腹の奥で蠢いてはいるが――ふと、自分の身体の下で今にも押し潰されそうな細い腰、いかにも子供じみた青白い太腿などの断片から、この行為が果たして彼女の合意のもとに行われているのか、と急速な不安に陥りそうになる。欲情でそれを押し潰すのはいかにも簡単だが――ああ、でも、もういい。 今は、限りなく掟破りの方法で、この子を利用し、雄としての情動を満喫させる事しか考えられない――とても身勝手に。それをこの子も望んでいるのだと錯覚しながら――そして、目覚めれば恐ろしいまでの絶望が待ち構えていると、知っていながら……止められない。 「ぁ……」 ずるっ、と指を抜く。 それ以上奥までは進めない、中途半端な感覚にマヤが切なそうに身を捩るのに微笑ながら、突き上げられた小さな尻を包み込むように撫で、指で押し広げる。 「え……う、そ……そっ、そんな、トコって――」 ふっと小首を傾げ、そこにある光景を目の当たりにしたマヤが悲鳴を上げる。 それに全くかまわず、真澄の指は双丘の隙間に隠れ潜んでいた場所を曝け出す。 「や……あぁあっ!?」 硬くつぼんでいたはずの部分に、ざわざわと濡れた柔らかいものが――舌が押し当てられ、ねっとりと唾液を塗りこめられるのがわかる。きゅっと、ひくつくと同時に、何故か前の方までじわっと甘く痺れて――溢れた。 マヤは慌てて腰を引く。 が、大きな掌はそれを許してくれない。 「やだっ……それ、そんな……きっ、汚いから、やめて――っぁあ!」 「そんな事ない――ピンク色で……此処とは別のシンプルな機能美がある――ホラ、何か奥から漏れてきたぞ、マヤ。これは俺のじゃない」 「ひっ……いぁあっ、ん……やぁっ」 舌が、奥からずるっと其処まで舐め上げてくる、何度も何度も。 だんだん頑なだった部分が緩み出し、溶けてくるのが自分でもわかってしまう。 溶けたその部分がいやらしく真澄の舌に絡みついてゆくような――それでいて前の柔らかな部分も物欲しげに要求していて、時折降りてくる小指の刺激に堪らなく涙を零す。 後ろを舐められている、というだけで。 倒錯的な興奮だけで、どこかが弾け飛んでしまいそうだ――まして、そこに舌先を侵入されてしまっては。 「排泄行為は気持ちいいだろ?――という事は、挿入されるのも感じておかしくないはずだ、此処は……」 「あ……ん……っ」 ひくひくと蠢く襞を掻き分け、真澄の一番細い指がゆっくりと中に入り込んでくる。 ずぶっ、と案外何の抵抗もなく、根元まで差し込むことができたのに安堵しながら、さらにゆっくりと、傷つけないよう掻き回す。マヤは耐え切れずに喉をのけぞらせ、立てた肘をぐったりと胸の下で押し潰した。真澄は反対の手でそっとその黒髪を撫でながら、剥き出しの披裂に軽く唇を重ねる。 「痛いか?」 「ぁ、あまり――で、も……っ」 「さっき自分でおねだりしただろ――もう引き返せないぞ、君も俺も」 何度も抜き差しが繰り返される。ようやく慣れてきたかと思ったら、舌で襞の周囲を宥めすかされながら、新たな指が侵入してくるのを受け入れさせられる。ゆっくりと慎重に行われるそれは、確かに痛みはない――とんでもない異物感こそあるものの。 マヤの腰は夢中でそれを咥えこんで、意識せずとも勝手に締め付けて、内壁をコリコリとくすぐられる奇妙な快感に下半身を痙攣させる。鼻から、口から、猫の鳴き声のような小さく濡れた呻き声が漏れる。 「へ……へんだよ、絶対……おかしって、こ、こんな……」 「おかしくない――素直にしてれば凄く可愛いぞ、マヤ」 「そんなっ……っぁあ!」 後ろから深く突かれる度に、内部で子宮が圧迫されるように甘く疼く。 その欲望を待ち構えていたように、舌先が薄皮一枚下に隠れていた芽をつん、と突き出し。 背骨を駆け上がる感覚に、頭の中が何度となく真っ白になる。 速水さんと”付き合って“いる大人たち、は――こんなコトを、こんな悪夢のような気持ちよさを、彼の舌で、指で、その……部分で、感じて、動物みたいに啼き喚いて、喜んでいたりするんだろうか――今のあたし、みたいに。 何だろう。それって。 すごく、すごく切ないような――寂しいような…… でも今のこのひと時は、確実に速水さんとあたししか有り得ない時間なわけで、それは確かなのに…… 「っ……やだっ、ぬ、抜かない――で……」 抜けて行った圧迫感に甘ったれた声を上げる自分に瞬時に赤面する。 背中で真澄が掠れた声で笑うのが聞こえる。 ぐっと体重がかかったかと思うと、耳朶を甘噛みされたながら尋ねられた。 「気持ちいから、抜いて欲しくないのか、マヤ」 「う……ん――」 「じゃあ、代わりに、俺のを……入れるけど、いいか?」 低く、熱い声。 狡い――またしても、あのねだるような声……男の人でも、計算して媚びることって出来るんじゃないの?っと、言葉にはできないが、そんなような事をマヤは脳裏で考えた。物凄く恥ずかしい癖に、それを待ち望んでいたかのように小さく頷く自分も――本当に狡い、と思いながら。 ――と。 急に脇腹に腕が回され、ぐっと乱暴な力で引き寄せられる。 太腿の裏側に、真澄の脚がぴたりと重なり―― 蕩けきった後ろの穴に、熱く硬いモノが押し当てられる。 そのあまりの熱さに、くっとマヤの喉が鳴る。 まさか――でも本当に……ああ、でもそれでこの人のこの瞬間を掴み取ることができるなら、あたしは……きっと、止められない、ほら、勝手に動く、恥かしげな仮面を脱ぎ捨てて、何も知らないコドモの皮を脱ぎ捨てて、見たこともない姿で聞いたこともないような音を立てて彼を誘うことができる――きっと。 マヤは大きく息を吐く。 身体中の抵抗を抜いて、ただ受け入れる為だけの姿勢をつくる。 それに合わせて、真澄は静かに――だが圧倒的な存在感をもって割入ってくる。 ずるっ、と一気に奥まで貫かれる。 一瞬、焼けるような痛みが頭の奥まで突き抜ける――痛いことはない、なんて言ったくせに……と恨めしく思う一方、この痛みを胸に刻み込んで後生大事にしまいこんでおきたい、という矛盾した愛しさに胸がチリチリと痛む。 そのまま――ゆっくりと腰が打ち付けられる。 体格差がありすぎるので、掲げられた腰の角度はかなり辛い。 狭いその中で掻き回されながら、やがて奥から未知の感覚がわきあがるのをマヤは受け入れる――いつしか自分で指を伸ばし、ぷっくりと充血した鋭敏な箇所に熱い蜜を擦り付けている。 後ろから伝ってきた液がそれに加わり、ぐちゅぐちゅと淫靡な音を立てて悦びの歌を歌う。 大きな掌にすっかり形を変えて潰された双丘は、痛々しい程紅く捲れ上がった箇所で真澄の欲情を精いっぱい受け入れて、激しく抉られる度に快感の波が――始めは小さな波紋に過ぎなかったそれが、津波の様に押し寄せてくる。 「やらしい……マヤ、それは――今、覚えたなら、君はかなり……っ、ぁあ……」 背骨を舐められながら、衝動はどんどん早く、激しさを増して登り詰めてゆく。 「ふっ……ひぅ……んぅっ……あ、あついよ――みさん、はやみさん、も――破れ、ちゃう……って、だめ、いた――あ、やあ、あ―――ぁああぁああああ!!」 真澄の身勝手な振動に全てを持ってゆかれながら――それでも自分の快楽を引き離せず、切ない隙間に指を這わせたままでマヤは絶頂を迎えた。 その一瞬後、じわっと腸内に広がった熱……ばたばたと隙間を伝ってシーツの上に滴る音。 思わず漏らしてしまったのかと怯えた程の感触が広がったので、それが所謂男の射精行為というものなのだと、生まれて初めて実感することができた。 間を置かず絶妙なタイミングで引き抜かれた圧迫感は、赤面するしかないが、確かに彼の言うとおり、排泄行為の後と然程変わらないような感覚で――思った以上に身体に痛みは残っていないようだった。 それよりも、じわじわと胸の内に広がる寂寥感の方が酷かった。 何の躊躇もなく抜けて行った真澄は、紛れもなく、人の心を弄ぶ冷血漢の名に恥じない男のように思われた。決してその手の情報が豊富ではないマヤの知識をひっくり返してみても、初めての行為でコレはなかなか酷い事のように思われた――その瞬間は、確かにその痛みを求めていたにも関わらず。 「――今、何時ですか」 ぐったりとうつ伏せに肩を竦めながら、マヤは呟いた。 と、その上からぎゅっと熱くて重い抱擁を受け、息を詰まらせた。 「知りたくない……」 ひっくり返され、ぐしゃぐしゃに乱れた髪を掻き分けられて、覗き込まれる。 涙で滲んだ視界に久々に、その整いすぎて怖いくらいの顔が見えた。 何故だかまるで自分と同じ、泣いてるようにも見える――のは、きっと気のせい。 そうでなければ……この男の、きっといつもの計算高い仮面の一つなのだと。 そう思わなきゃ、愛しすぎて、欲しすぎて、頭がおかしくなる。 だから――やっぱり、まだ暫くは、子供っぽく拗ねていればいい。 あなたも、大人ぶって、宥めるフリをしていればいいから…… ぐるっと丸められた、頼りなげな薄い背中が静かに泣くのを見つめながら。 最中に予想した通りの絶望感と、それを上回る渇望に似た想いごと、真澄は抱きしめた。 まだほんのりと熱を帯びた互いの肌の隙間に、一瞬、情熱の残滓が浮かび上がって―― 闇に消えた。 web拍手 by FC2

うーん…ブログでUPするにはコレがギリギリラインかなあ^^;
某エロパロ板以外でこの手のネタを見かけた事がないのですが、いいのかなあ…とかいいつつ、今後も危ない路線を開拓してゆこうと思います。
ご拝読どうもありがとうございました!!

last updated/10/12/17

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