真澄は無言でシャツのボタンを外してゆく。
頼りなく顔の前で交差しがちなマヤの両腕をそっと掴み上げて、自分の手の動きに合わせる。
恐る恐る、マヤがボタンを外してゆく・・・震える指先が、最後にするりと真澄のシャツを引き下ろす。
熱い肌が、同じように熱い肌にぴたりと重なる。
互いを隔てるものは、もう全て引き剥がす。
皮膚でさえ煩わしさを感じてしまう。
肌の下のこの衝動を、血の巡りを、そのまま重ねることができればいいのに。
それができないから、ただぶつかり合い、擦れ合う。
マヤが痛みに思わず眉根を寄せてしまう、それを気遣うのさえやっとのことで。
何度となく、白い身体を撫で擦り、掴み上げ、揉みしだく。
互いに一度も聞いたことがないような声を抑えて・・・吐き出して・・・飲み込んで。
「マヤ・・・全く、君は――どうしてここまで・・・」
「あっ・・・つ、はやみさ・・・ちょっと、」
「痛かったか?すまないな」
衝動のままに軽く甘噛みするつもりでいて、
苛立ちにも似た愛おしさからつい時折歯をたててしまう。
「ああっ・・・もう、やめ・・・」
「やめられない、もう駄目。ここは・・・もういいか?」
「ん・・・やっ!」
下へ下へと――ゆっくり降りていった掌が、
閉じられた両腿の隙間をそっと這い上がってゆく。
――長い指先がそこに触れる・・・だけでなく。
人差し指と・・・中指が、マヤの身体の中で最も柔らかな部分を優しく刺激する。
目覚め始めていた甘い衝動が、下腹部で小さな悲鳴を上げる。
つい、その力強い腕、手首を押さえてしまった。
「どうして・・・?気持ち・・・イイだろ?」
「ん、はあっ・・・あっ」
「だよな・・・もうこんなに濡れてる」
「ダメっ・・・」
「何が」
「い、言わないで、もう、何も言ったら・・・やだ・・・」
「恥ずかしい?」
ふと顔を上げると、マヤが小さく頷いたところだった。
あまりの可愛さに・・・ついまたぎゅっと抱きしめてしまう。
その強さにくっと細い肩が竦みあがる。
離すわけがない、もうこの少女は自分だけのものだ。
「じゃあ言わない。その代わり、拒んだらダメだぞ」
「え」
「何も言うな」
「んッ・・・」
ふいに掌で口を塞がれる。
マヤの声どころか全身が跳ね上がり、捻れあがりそうになるのを、
重い、真澄の身体が抑え込んでしまった。
「・・・!!!」
乱暴に広げられた両脚の中。
ふわりと広がったスカートの下に真澄の半身が潜り込む。
そしてこの感触――
ぴちゃぴちゃと、
小さく跳ね上がる湿った音。
淫靡で、蕩けるような音、感触――快感の波。
頭の中が真っ白になる・・・いや、真っ赤なのかもしれない。
信じられない、こんな――風にされていることが・・・
ああ、だけど。
おかしくなってしまいそうな・・・この、疼きと、快感は。
どうしようか、本当に――これでは本当におかしくなってしまう・・・
今回の若干改稿部分、真澄の台詞が多い。なんと(って言う程でもないけど)マヤの事を「君」じゃなくて「お前」って呼んでるのだ。
や、お前呼ばわりもスキなんですけど、この作品における真澄君の場合「お前」はちょっと違うかな?っと思って全部「君」に変えました。
今や当然の如く書いちゃってるクンニ描写ですが、6年前にはドッキドキだったな〜っと思い出しながら再録。当時の記憶が所々に残ってて懐かしいです。
last updated/11/07/02