第4話


↓現ライラより警告↓
*2004年12月に完結済みの旧作です。原作は42巻が出たか出ないかくらい、だったはず。
*前サイト名、HNは伏せてあります…お察しください(涙)
*どうやら前歴三作目のパロ…にして、初の(悪趣味な)コメディらしいです。

結局その会議で、真澄はマヤの恐るべき才能を再び思い知らされたのであった。 それは真澄そのものであった。 鋭い眼光、次々に飛び出す怒声に皮肉、叱咤激励、溜息、微笑、ちょっとした仕草。 言葉選びもそのタイミングも、全く真澄自身、側で見ていて呆気に取られるものであった。 勿論、誰かの発言に対する応答や、真澄の方角からは見えない書類の中身等は 通信機を通して後ろの真澄に指示を仰ぐ。 だがその手短な指示に台詞と動作をつけて大都芸能社長・速水真澄を演じるのは まず容易にできることではないだろう。 だがマヤは完璧にやり遂げたのだ。 一度だけ、 会議中の興奮のあまり、真澄が 「馬鹿野郎っ!!」 と叫んでしまい、不審な目で見られたが、それもマヤと全く同じタイミングであった。 「すごいじゃないかマヤ!!全く気づかれてなかったぞ!!」 「そ…そう?まだよくわかんないんだけど…自分が速水さんなんだって思ったら、  何かすごい頭と口がまわっちゃって…普段絶対読めない書類なんかも高速で目に  飛び込んでくるの…つかれたあ〜」 会議室を出たマヤは、ふらふらとその場にあった長椅子に腰を下ろす。 真澄はその横にちょこんと並ぶ。 「よくやったな。君があんなに…その、完璧に俺を演じてくれるなんてな」 (マヤの姿の)真澄の顔が赤くなる。 普段ならこれくらいで赤くなったりはしないのだが、 勝手に頬が上気してしまうのだ。 その横顔を眺めながら、マヤは、 …うわっ あたしったらなんですぐ赤くなっちゃうんだろ と焦ってしまう。 一方真澄はかなり浮かれていた。 苛苛した時に思わずペンを回してしまう癖、書類をめくる手つきから 言葉の端々まで、そんなに細かくマヤは自分を見ていてくれたのか…と。 「マヤ、有り難うな。」 思わずマヤの頭…自分の頭をぎゅっと抱いてしまって、 それが慣れたマヤの小さな頭、艶やかな黒髪でないのに苦笑した。 その様子を、柱の影から見ていた水城は、 (まあマヤちゃんったら、人前でそれくらいはできるようになったのねえ) と感慨深げに頷くのだった。 社長室に戻った二人。 その時真澄が違和感に気づく。 「マヤ…」 「何?」 「…トイレに行きたいんだが…」 「!!!!!」 マヤは一瞬息を呑むと、 「だ、ダメダメダメダメダメーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」 慌てて真澄に掴み掛かる。 だがその力は真澄のものなので、 「うわっ やめろマヤ苦しいっ」 「と、トイレだなんて駄目ですよっ  そんなことしたら恥ずかしくて死んじゃいますっ」 「そんなこといったって漏らしたらそれこそまずいだろう!?」 「だけど…」 「わかった、耳塞ぎながらしたらいいじゃないか」 「耳塞ぎながらパンツ下ろせないでしょーーーーっ」 「じゃあ君が下ろしたらいいじゃないか」 「ああ、そうかも…?  …やっぱり変―――――――っ」 変に決まっている。 何を考えてるんだかちょっと嬉しそうな真澄。 「あ、あたしの身体で…トイレだなんて…耳を塞ぐとかの問題じゃないんですっ」 「何を今更…君の身体で俺に隠す所なんてもうないだろうが。」 「!!!」 パンッ、と、 真澄の頬を、マヤは思わず張り倒してしまった。 「きゃっ 御免なさい、ちょっとはたいただけなのに…」 「女優の身体に傷をつけるなといってるだろ!!  それに、きゃっ とかやめてくれ…何だか力が抜ける…」 結局、やいのやいので渋々マヤはトイレを容認することになった。 しかし… これがまた一騒動の始まりなのであった… web拍手 by FC2

逆転ネタのお約束ですよ〜 でもこの後が…酷い…あぁ、貧血起こしそう(;´Д`)

    

last updated/04/12/14

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