第5話


↓現ライラより警告↓
*2004年12月に完結済みの旧作です。原作は42巻が出たか出ないかくらい、だったはず。
*前サイト名、HNは伏せてあります…お察しください(涙)
*どうやら前歴三作目のパロ…にして、初の(悪趣味な)コメディらしいです。

大都芸能社長室内に備え付けの来客用トイレ… の、中で固まっているのはマヤ、ではなくマヤの姿をした真澄である。 ドアの向こうでは、 「ちょっと!速水さんっ 耳塞ぎながらしてる!? 目も塞いでないと絶対だめなんだからねーっ」 と真澄の姿のマヤが必死になっている。 「うるさいなっ 耳塞いで目まで塞いだら身動きとれないじゃないかっ」 と返すも、実は耳も目も塞いじゃいないのである。 それは最初はマヤを思ってできるだけ希望に沿う形で、穏やかに事を済ませたかったのだが… どうも尿意、という感覚とは別の感覚のような…と恐る恐る瞼を開き… 絶句。 白目。 (な…なんということだっ…!!!!!) いかに真澄の頭が切れるとはいえ、 この衝撃にどう対応してよいか瞬時に判断できかねず、 白目から暫く立ち直れないでいるのだった。 「速水さ〜ん…お願い、早くしてくださいよ…」 真澄の声のマヤは今にも泣き出しそうである。 それはそうだ。 トイレ姿うんぬん以上に、自分の排泄感覚を他人に感知される、 ということくらいショックなことはなかろう。 しかし真澄はそれどころではなかった。 (な、ど、どうしたらいいんだコレは…!!??  マヤに…うう、聞けるわけない、泣き出してしまうっ…  しかし何とかしなくてはコレではとても外に出れないぞ!!!) 真澄、人生初体験。 本来の姿であったら絶対に体験できない状況。 そう、 マヤの身体はいままさに、 …お月様がいらしゃった瞬間。 なのであった。 さあ皆様思い出してみましょう。 貴方に初めてお月様がやってきた日。 予備知識はそれなりにあろうとも、降ってわいたような初体験に 誰しも多少はパニックになったのでは…? しかし真澄のパニックはそんなもんではない。 おまけに男性の予備知識など実戦(?)で役に立つはずがない。 (こ、この場合やはりアレをつけなきゃならんのだろうな…!!!??  しかしマヤに持ってるか聞くのもアレだし…だがこのままでは…!!!) 焦った真澄は仕方なく、トイレットペーパーを幾重にも折り畳みあてがう、という緊急処置に出た。 いい判断だ。 しかし、その手は途中で何度も震え、危うく今度は鼻から出血しそうになる始末。 やっと外に出ると、マヤが真っ赤な顔で膨れている。 顔もみたくないほど恥ずかしいのだが、それでもこれは真澄の責任ではないし、 やり場の無い羞恥心でふてくされているのである。 真澄は真っ青な顔で、なんとかこの状況をフォローすべく考える。 (どうしたらいいんだアレは…マヤに買いにいってもらうしか…  うおおっ!!!それはヤバイ!!!それはいかんぞっ…) 一瞬、コンビニでブツを物色している自分の姿を想像し、青筋を立てる真澄。 「速水さん…?どうしたの?お仕事は?」 多少立ち直ったマヤが小声で話しかける。 「あ、ああ、そうだな…退屈だろうし、  そこらに舞台のDVDでもあるから見ててくれ」 と応えてデスクの前に腰をおろす…が、 (・・・!!!!!) ――流出したっ!!!今絶対流出したぞっ…!! 腰を浮かせ、一瞬飛び上がりそうな真澄。 慌てて椅子と自分の背後を確認するが、何とか大丈夫である。 しかしあんな応急処置ではおちおち仕事もできない。 おまけにだんだん腰が重くなってくるようである。 …女というのはこんな厄介なモノ抱えて仕事してるんだな… と、ふと水城の姿が脳裏に浮かび… 「そうだっ!!水城君だっ…!!!」 「どうしたの?」 「マヤ。DVDはこのデスクで見ててくれ!すぐ戻るから!」 と言い捨てると、社長室のドアを開け出てゆく。 すぐ外の秘書課では、ふいに社長室へと消え、またふいに現れたマヤの姿に 一瞬ぎょっとするも、すぐさま冷静な仕事ぶりが展開される。 「マヤちゃん、やっぱり退屈だったんでしょ」 と、資料を抱え社長室内に向かう水城が笑いながら話しかけた。 その腕をひっぱり、壁の隅に連れてゆく真澄。 「あ、あのね、水城く…水城さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」 「なあに?」 「あの…なんていうか…その、アレ…なんだけど」 ああ、まさか水城にこんなプライベートもプライベートな話をする日がやってくるとは… さしもの大都芸能敏腕社長も情けなさと申し訳なさでしどろもどろになる。 「アレ?」 「そう、あのさ…ええっと…アレだよ!持ってないのか!?」 「アレって…ああ、アレね。なっちゃったの?」 水城がやっと気づいて声を潜める。 「マヤちゃんったら、女の子なんだからそういう準備はいつでもしてなきゃ駄目よ。  でも私タンポンだけどいいの?」 「!!!!!!!!」 言えない…この状況、マヤにも水城にも決して言えないぞ…! と真澄はふらつく頭の中で呟いて、 「それでいいです…」 とうな垂れるのであった。 web拍手 by FC2

そして本日私もなりました(爆)…すいませんねぇ…やさぐれラブコメで…(ノД`)

    

last updated/04/12/14

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