第6話


↓現ライラより警告↓
*2004年12月に完結済みの旧作です。原作は42巻が出たか出ないかくらい、だったはず。
*前サイト名、HNは伏せてあります…お察しください(涙)
*どうやら前歴三作目のパロ…にして、初の(悪趣味な)コメディらしいです。

さて、再び社長室内トイレを使ってはマヤの反応が大変、と、 真澄はフロア奥の社員用女子トイレで事を済ませた。 だがそれは先ほどの応急処置とは比べ物にならないほどの精神力を要する作業であった。 そもそも、ナプキンと異なり直に挿入しなければならないわけで… それもこの身体はマヤの身体なのであって… (信じられん…コレをマジでココに…入れるのか…??  …何だかとても不愉快だ…いや愉快?んなわけないっ…くそ〜〜っっ!!!!) 何度も説明書を見ながら慎重に手順を踏んだつもりであるが、 あらぬ想像やら予想以上の出血やらで眩暈と動悸が収まらない。 やっとトイレを出て社長室内に入った時には既に30分が経過していた。 「すまなかったなチビちゃ…」 話しかけようとして、また絶句。 マヤが暇つぶしに見ていたのは、いつぞやの『忘れられた荒野』の舞台DVDであった。 見ているうちに再びジェーンと同化してしまったらしく、 何やらぶつぶつ呟きながら四足でそこらを飛び回っているではないか!!! 「こらマヤっ その姿でぴょんぴょんするんじゃないっ」 「がうっ」 人語が話せないので噛み付きそうな唸り声である。 「しいいいっ 静かにしなさいっ 隣は秘書課なんだぞ!」 「わおんっ!!」 慌てて押さえ込もうとするも、 するりとかわされ、次の瞬間には書棚の上に飛び乗る、机の上を蹴散らす…散々である。 「うわっ あぶな…マヤっ」 「ぐるるるる…」 真澄の長身でもって社長室内のあらゆる器物に飛び乗り引っ掻き打ち倒す…のであるから、 非力なマヤの身体ではとても押さえられない。 「わお…」 「ぎゃっ 頼む、遠吠えだけはやめてくれマヤ、ほらシイイイッ…チッチッチッ…」 気が気ではない真澄、俊敏に飛び回るマヤを追いかけ回し、 挙句野良犬を呼び寄せるように舌打してみるが、相手は狼少女…いや狼青年、全く相手にしない。 「フーーーーッ」 と物凄い顔でマヤの姿の真澄を威嚇する。 白目は得意技なのでえらい迫力である。 かつてどこぞのフロアで繰り広げられた「チキン投げつけ挑発ゴッコ」を彷彿とさせる状況であるが、 見た目の立場は逆である。 と、マヤが真澄の一瞬の隙を突いて飛び掛る! 「くっ」 真澄もすんでの所でその攻撃をかわす! さすがはマヤの身体!だてにパックは演ってないぞ! しかし、避けたはいいもののその拍子にしたたか腰骨をソファの角に打ち付けてしまう。 痛さにひるみ、思わず蹲る。(←いまタイプミスで「疼くマス」ってでちゃいました) 一方のマヤは、飛び掛ったままひらりと背後に着地した。 そして、真澄がふらふらと立ち上がりかけた時… 「うわっ」 背後から、マヤの――真澄のリーチの長い手が伸びたかと思うと、 真澄の――マヤの長い黒髪を鷲掴みにして物凄い勢いで引き寄せる。 一瞬、(マヤの身体に何をするっ) という怒りが沸くも、相手が他ならぬマヤである。 非力なマヤの身体ではとても抵抗できない。 あっという間に引き寄せられると、 そのまま肩を捕まれ床に押し倒される真澄。 「ぐううう…」 「・・・・!!」 人間の正気を宿しているとは思えない瞳。 以前の真澄が割りに頻繁に(読者にのみ)披露していた表情とはいえ、 自分自身の顔を真正面から見ることなどないので我ながらひるんでしまう。 自分の身体に圧し掛かられている、というのがやはりどこか釈然としないが、 たまにはマヤもこんな感じで積極的に絡んでくれたらなあ… などという思いが脳裏を過る真澄であった。 「痛っ…」 押さえつけられた両腕に力が入り、痛さに顔を歪める。 そして… 真澄の顔のマヤの口が僅かに開く。 熱い息。 飢えた獣の牙の隙間に蠢く舌。 す、 と涎が真澄の頬に一筋垂れた… その瞬間、背筋が冷たくなるのがじっくりと認知された。 (ヤバい…喰われる…) マヤ、と呼びかけようとするも声がでない。 その時。 コンコンコン…! 丁度、マヤに押し倒された真澄の頭の上、 ドアが激しくノックされる。 「もしもし…真澄様、マヤちゃん?  何か大きな音がしますけど…どうされましたの?」 web拍手 by FC2

この辺から二人が勝手に動き回り始めて収集がつかなくなった模様^^

    

last updated/04/12/14

inserted by FC2 system